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『ムサッシーのブログ』を記載します。


by sportsaid

雁坂ランナーに伝えたいこと

 「雁のみち」の一部を雁坂トンネルの避難坑を抜け、黒岩尾根から雁坂小屋に至るコースに変更しての開催となった今大会。ランナーとスタッフの誰もが、雁坂の灯を消してはならいという思いを共有してこの大会に臨んでくれたからこそ、本大会が無事に、そして盛会裡に終了したものと存じます。改めて、この大会に関わっていただいたすべての方たちに厚く御礼申し上げます。
 さて、今回のコース変更により、道路管理者、所轄警察署、環境事務所等から多くの規制があったこと、またコースの全長が11km延びたことから、さらに厳しいレース展開になったことは明らかでした。が、その分、かつてない多くの感動をいただきました。

 ナンバーカード528 招待選手の大越一彦さん。あなたはレース途中で体調を崩し、足が止まってしまったにもかかわらず、見事完走を果たしてくれました。
 市民ランナーといえど、特に実力のあるランナーは不本意な姿を晒したくない、また次のレースのためにダメージを最小限に抑えようとする心理が働いて、調子が悪いときは早々にリタイヤという図が一般的です。でも、あなたはそれをしなかった。恐らく、何としてでもゴールしなければという思いしかなかったのでしょう。
 その理由の一つに、あなたを招待した私たち主催者側に報いるためにも途中でレースを投げ出すことを許せなかったのだと思っています。
 昨年、初参加で優勝の栄冠を手中にしたあなたも格好よかったけど、今年のあなたはその何倍も格好よかったです。

 それから、あえて出走しなかったナンバーカード385 松崎光陽さん。あなたは今年も大会前日の開会式会場にいつものように姿を現しました。そして、熱心に競技説明に耳を傾けてくれていた筈。なのに、いや、だからこそあなたはスタートラインに立ちませんでした。
 開会式終了後「宿泊すると絶対走ってしまうから」と、その日のうちに大会本部にDNSのメッセージを送り、甲府のホテルを出て帰宅したことを、後日、あなたのフェイスブックで知りました。
 不注意で古傷を再発させてしまった身では、一層厳しくなったコースを完走する自信がなかったことも大きな理由だとは思いますが、もう一つ、今大会の置かれた立場を考えると絶対に迷惑をかけてはならない、「途中でリタイヤしてもいい、とにかく行けるとこまで行ってみよう」などという甘い気持ちで出走してはならないと決めてとった措置だったと思っています。あなたの配慮あるDNSに心から拍手を送りたいと思います。

 今年も、ほとんどのランナーをゴールでお迎えさせていただき、感動、感動の連続でした。
 「さらに手強くなった雁のみち」をズタボロになりながらも頑張り抜いてゴールにたどり着いたランナーたち。雁坂をこよなく愛してくれているランナーたち。みんな我が子のように愛しく、その姿が滲んで見えてしようがありませんでした。本当にありがとうございました。
 また来年、皆さんと「雁のみち」の旅ができることを切に願っております。

                              大会長 舘山 誠
by sportsaid | 2015-09-26 14:31