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『ムサッシーのブログ』を記載します。


by sportsaid

「伊豆ヶ岳を越える道」は爽やかに、しなやかに、華やかに。

 奥武蔵「伊豆ヶ岳を越える道」トレイルランを立ち上げたのは平成15年、すなわちNPO法人スポーツエイド・ジャパンのそれと同じ年。そう、この大会はスポーツエイド・ジャパンの歴史とともに歩んできました。
 当時はトレイルランニングという言葉を聞くこともなく、大会名も「奥武蔵高原スーパークロスカントリー」。この大会、もしかしたらトレイルランニングレースの草分け的存在かも?

 コースとなっている「伊豆ヶ岳を越える道」は奥武蔵の山域屈指の人気ハイキングコースで、休日には多くのハイカーが訪れます。前記大会開催日も然り。で、案の定トレランに対する理解をもたない方からの苦情がほとんど毎回のように寄せられます。一般の方からみると、猛スピードで登山道を駆け抜けていくランナーはどう考えても恐怖です。
 もちろん、登山道は誰のものでもありません。疾走しても漫歩しても構いません。要は他者に迷惑をかけないこと、環境保全に努めることだと思います。
 昨今、トレイルランナーのマナーは著しく向上しました。そして、トレイルランニングの認知度もだいぶ上がってきました。しかし、大会となると、ランナー側がどんなにルールとマナーを守っても、ハイカー側にとって迷惑極まりないことがあります。それは、大会があることを知らずに出かけてきたハイカーが、自分の意のままに(目的地に向かって)進めなくなってしまうことです。コースの逆方向を辿ろうとしているハイカーは尚更です。なかには、目的地に向かうことを諦めて引き返すケースもあるようです。そういう人たちが大会開催を恨めしく思うのは当然でしょう。
 この件についての対策の一つとして「その日は大会があるので、なるべくその山域への来訪を避けた方がいいと思います」というようなことを周知することですが、果たしてどれくらいのハイカーの知ることになるのか。私たちは大会のかなり前からホームページで、また大会が近くなると現場に告知板を設置して大会実施を呼びかけているのですが、それだけでは済まず、やはり苦情が返ってきます。
 「トレイルランニング」。確かに排気ガスが漂う街中を走るより、自然の恵みを感じながら野山を駆けめぐる方が心地よいです。トレランの愛好者が増えていることは頷けるし、私自身、多くの人たちにトレランを楽しんでもらいたい、また自然を慈しんでもらいたいという思いから大会を主催しています。しかし、そのためにハイカーに迷惑がかかるのであれば、やはりその対策を講じなくてはなりません。いや、あまりにも苦情が多いのであればその大会をとり止めることも考えなくてはならないと思っています。

 さて、先般、第12回奥武蔵「伊豆ヶ岳を越える道」トレイルランを無事開催することができました。実は今回を最後に、ハイカーからの苦情が比較的多いこの大会を終了することも考えておりました。が、この大会の歴史の灯を簡単に消すのではなく、この大会を通して多くの人たちにトレランに対しての理解を深めていただき、トレランが多くの人たちに愛されるようにしていくことに励むべきだと思い直しました。
 そこで至ったのが、今後はこの大会を一般ハイカーにとって、また自然にとってできるだけストレスがかからないような形に変えていくということです。そのためには、まず参加人数を300人位に抑えること。そして、女子主体の大会にすること。
 男子には非常に申し訳ないのですが、対人的にも、また自然に対しても男子に比べたら女子の方が優しく、競技人口も男子に比べたら格段に少ないことは明らかです。
 結論を申し上げます。次回からは奥武蔵「伊豆ヶ岳を越える道」クイーンズトレイルランというような名称にし、種目は女子ソロ(クイーン)の部(100人)、男女ペア(クイーン+ナイト)の部(100組)とする予定です。
 なお、スタッフは全員男子でと思っております。男子がランナーとして参加できるのは100人となりますので、それが叶わなかった方はスタッフにまわっていただければ嬉しいです。

 私たち男は、母を始めとする女性の愛を受けて生きてまいりました。私たちは女性に憧れ、女性をこよなく愛して生きてまいりました。私たちは女性にもっともっと感謝の意を表さなくてはなりません。親愛なる男子ランナーの皆様、来たる大会では女子にかしずき、女子に大いに楽しんでいただくために一緒に頑張りましょう!
 高く澄み切った青空、野山を彩る紅葉、そして爽やかにしなやかに華やかに舞う女子トレイルランナー。実に絵になります。トレランを苦々しく思っている人たちだって、こんな光景に遭遇したら、きっと目を細め、心も和み、温かく応援してくれるのではと思ってしまいます。もしかしたら、この試みが一般ハイカーとの間に生じる軋轢を緩和し、それがトレランに対する理解を生み、ひいてはトレランの普及につながるのではという期待ももっております。
 ランナーの皆様には、次年度から開催することになる奥武蔵「伊豆ヶ岳を越える道」クイーンズトレイルランを引き続き可愛がってくださいますよう、よろしくお願いする次第です。

             NPO法人スポーツエイド・ジャパン代表理事 舘山 誠
by sportsaid | 2014-11-23 23:33