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『ムサッシーのブログ』を記載します。


by sportsaid

3年目の春。たんぽぽの便り

 ちょうど3年前の未曾有の大惨事。現地で目の当たりにした悲惨な光景は、今でも深く脳裏に刻まれたままです。改めて東日本大震災の犠牲になられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。また、被災されたすべての方に心からお見舞い申し上げます。

 震災1ヶ月後に敢えて開催した「第6回戸田・彩湖フルマラソン&ウルトラマラソン」では、参加してくれたランナー、スタッフ、そして駆けつけてくれた多くの応援者が一つになって「元気になろう、少しでも元気を届けよう」と被災地に心を寄せたことを実感できました。日の丸の鉢巻をしめて誰ともなく懸命に応援してくれていた外国の方の姿を思い起こすと、今でもジーンとなってしまいます。国の別なく、人のために尽くすという人心の崇高さに改めて感銘を受けたものでした。
 以来、多くの方たちからお預かりしたご厚意をもとに私たちが支援することになった宮城県石巻市の障がい者地域活動支援センター「NPO法人輝くなかまチャレンジド」、名取市の障がい者支援事業所「社会福祉法人みのり会」については昨年3月までの2年間、毎月支援金を届けさせていただきました。また、石巻市の無認可保育園「たんぽぽ」は残念ながら本年3月をもって閉園ということで、送金もこの3月までとなります。が、今まで通り何らかの形で前述の施設にかかわらず、支援を続けていきたいと思っております。今までの皆さまのご協力に深謝申し上げますとともに、引き続き皆様のご協力をお願い申し上げます。

 先日届いた「たんぽぽ保育園」千葉初美園長の書簡(抜粋)を次に紹介いたします。

 早いもので、大震災後3年目の春を迎えました。沿岸部はすっかり更地になり、風景が様変わりしました。遅ればせながら復興住宅への移動も始まり、前向きな明るい話題も多くなってきました。
 縁を受け、震災後より変わりなく「たんぽぽ保育園」を毎月支援してくださったスポーツエイド・ジャパンの皆様、本当にありがとうございました。お陰さまで、子供たちと過ごす私共は刻々と変わる状況に苦労しながらもこの苦境を乗り切ることができました。笑顔の日常を取り戻すことができました。勇気づけられました。人を思う気持ちで深いつながりができたことを、これからも大切に大切にしていきたいと思います。本当にありがとうございました。
 残念なことに「たんぽぽ保育園」は3月28日で閉園します。17日には最後の卒園式、お別れ式を行います。受けた恩を次に困っている方々に返せる子供たちに、そのことを力強く担っていける子供たちにという思いを託し、「たんぽぽ保育園」を巣立たせていきたいと思います。私共も皆様のご支援に応え、石巻の復興にこれからも努力していきます。そして、いつの日かこのご恩を困っている方々に返していきたいのです。
 「たんぽぽ保育園」の幕を降ろすその日まで、目的を果たすその日まで頑張りますので、どうぞ見守ってください。

 無認可という恵まれない立場にあっても地域の「子供を預けて働かなくてはならない人たち」の大きな支えになっていた「たんぽぽ保育園」は、石巻湾岸から近い場所にありながら津波に流されずに済み、震災後も早々に保育を再開したとのことでした。私たちは石巻市の行政機関に最も困窮している施設への支援を申し出たところ、「たんぽぽ保育園」を紹介されました。
 初めて千葉先生とお会いしたとき、「ありがとうございます。助かります」と何度も何度も繰り返されました。それから3年間、園の継続に努力を重ねてこられましたが、やはり湾岸地域の人口流出に伴って入園する子供たちも減少し、この3月でとうとう閉園することになってしまったのです。
 「せっかく支援していただいたのに、このようになって申し訳ない」と千葉先生。でも、あれから3年間、あの環境のなかで保育を続けてこられたことに私たちの支援が少しでも及んだのであれば、それは私たちの活動が充分に実を結んだことにほかならないと思います。
 「たんぽぽ」は真心の愛。子供たちを真心の愛をもって保育されてこられた千葉先生、長い間本当にご苦労さまでした。私たちは千葉先生とお会いできたこと、「たんぽぽ保育園」のお役に立たことを心から嬉しく思っております。それから、私たちの思いに応じていただいた多くの方々。皆様のご厚意があったからこそ千葉先生との出会いがありました。ここに重ねて感謝の意を表します。

            2014年3月11日 スポーツエイド・ジャパン代表 舘山 誠
by sportsaid | 2014-03-11 00:00