『ムサッシーのブログ』を記載します。


by sportsaid

「真夏のオクム」から「初夏のオクム」へ

「手作りの味にこだわり、遊び心を忘れず、ランナーとスタッフが一体となって楽しめる大会」として立ち上げた真夏の祭典・奥武蔵ウルトラマラソン。真夏の暑い時期の開催にもかかわらず、多くのランナーに参加していただける大会に成長しました。いや、暑い時期だからこそ、多くのランナーに支持されるようになったと言っても過言ではありません。
 光と緑にあふれる真夏の奥武蔵は確かに輝いています。暑いなかを走るのは決して楽ではないけれど、思いっきり汗をかくことの爽快さを知っているランナーにとって、それはむしろ快感でもあります。やはり、奥武蔵は夏がいい…。
 桜が散って5月に入ると、高いところで900m近くもある奥武蔵グリーンラインは爽やかな風が吹き渡り、まばゆい新緑が目にしみるようになります。若葉色に衣替えした奥武蔵は躍動感に満ちあふれます。自然の息吹をこの時期ほど強く感じることはありません。新緑の時期こそ奥武蔵が最も美しく輝きます。
 (中略)
 私はエントリー者が799名になった一昨年あたりから、奥武蔵ウルトラマラソンの開催日として最適なのはいつか、ということを考えるようになりました。身近にいるランナーに問うと、押しなべて「奥武蔵は夏」という答えが返ってきます。が、果たして夏が最適なのでしょうか。それを判断する材料としてランナーの安全性、私たち主催者側の運営能力等の問題も入ってきます。それらを考慮したうえで総合的に判断すると、奥武蔵が最も輝く時期に開催するのが最適ではないでしょうか。
 季節感だけでいうと夏も輝いていますが、新緑の時期の方がより輝いています。しかし、奥武蔵が最も美しく輝くときは、ランナーのみならずスタッフも共に心から楽しめるときだと思っております。それが夏なのか、新緑の時期なのか、今のところ何とも言えません。それを確かめる意味でも、次回は新緑の時期に開催する予定で準備を進めております。
 (中略)
 今回、ランナーの皆様に「奥武蔵ウルトラマラソに関するアンケート」をお願いすることにしました。再来年以降の奥武蔵ウルトラマラソンの開催日については、このアンケートの回答を参考にして再度、熟考する所存です。

 以上の文章は、私が第14回奥武蔵ウルトラマラソン(2007年8月5日開催)の大会プログラムに巻頭言として寄せたものです。
 そのときのアンケートの結果は、圧倒的多数の方が「夏の奥武蔵」を望んでいました。私たちはその数字を重くみて、ランナーの皆さんが安全に大会を楽しんでいただくための私たちができる最大限の努力をして引き続き「夏の奥武蔵」でいくことを選択しました。
 それから7年経った今、着実に地球温暖化が進んでいるように思われます。
 本年7月27日に開催した奥武蔵ウルトラマラソン。私は午前7時にランナーをスタートさせた後、例年のようにレースの状況をこの目で確かめるためにコースに出ました。そして、そこで目にした光景は今までとは明らかに違っていました。まだ序盤だというのに、異様な暑さにほとんどのランナーが生気を失っているように見えました。只ならぬ状況に、このままでは深刻な事態を招きかねないという危機感を覚えました。
 この日は午後から雷雨となり、とりあえず熱中症の心配は回避されましたが、代わりに今度は落雷による危険に晒されました。幸いにして、今回は何事も起らなかったのですが、このように夏場のレースは気象的に大きなリスクを伴います。ましてや、地球温暖化が進み、異常気象が叫ばれている昨今では尚更です。時期に関係なく、どんなに注意を払っても事故は起きます。しかし、確率的に猛暑、落雷の危険因子が存在する夏場のレースは格段なのです。ならば、その対策を徹底的に講じて大会運営にあたるべきだと言われるかも知れません。が、自然の大きな力には如何ともし難いものがあります。
 先のスポーツエイド・ジャパン運営会議であらゆる角度から検討した結果、第22回奥武蔵ウルトラマラソンは2015年6月7日(日)に開催することとさせていただきました。今後、「真夏のオクム」は「初夏のオクム」に変わります。
 「真夏の祭典」という代名詞をいただきながら、そして多くの方たちから真夏のウルトラマラソンとして支持されてきたにもかかわらず、あえて開催時期を変えるということに正直言って私自身、かなり抵抗がありました。しかし、これからもこの大会を継続させていくためには、やはりこの際思い切って開催時期の変更に踏み切った方がいいという結論に達しました。重大な事故が起きてからでは遅いのです。真夏のオクムを楽しみにしている方たちには申し訳なく思いますが、どうか事情をご理解のうえ、引き続き「初夏のオクム」にご参加くださいますようお願いいたします。
 梅雨に入る前のオクムは躍動感にあふれ、最も輝いています。ランナーの皆さんも、来年からはそんなオクムで大いに躍動し、輝いてください。
 なお、第22回奥武蔵ウルトラマラソンのエントリー受付は本年12月下旬、もしくは明年1月上旬に開始する予定です。装いを新たにした「初夏のオクム」へのお越しをスタッフ一同、心からお待ちしております。

NPO法人スポーツエイド・ジャパン代表理事 舘山 誠
[PR]
by sportsaid | 2014-10-22 09:30